持続血糖測定器「FreeStyleリブレ」

 糖尿病の治療や日々の健康管理に欠かせないのが「血糖測定」です。これまでの自己測定(指先からの採血)は、毎回針を刺す必要があり、痛みや手間から負担を感じている方も多いのではないでしょうか。

 そこで注目されているのが FreeStyleリブレという持続血糖測定器です。腕の後ろに500円玉ほどの小さなセンサーを装着するだけで、血糖値を最大14日間持続的に記録してくれます。センサーに専用リーダーやスマートフォンをかざすと、その場で血糖値が表示され、グラフとして推移も確認できます。

 指先採血のような痛みがなく、1日中いつでも血糖の動きを把握できるのが大きな特徴です。特に、食後の急な血糖上昇や夜間の低血糖といった「見えにくかった血糖変動」を発見しやすくなり、より的確な治療や生活習慣の改善につながります。

血糖変動を“見える化”するメリット

  1. 食後高血糖の把握
     HbA1cが良好でも、食後だけ大きく血糖が上がっている場合があります。食後高血糖(血糖値スパイク)は動脈硬化や心血管疾患、網膜炎といった合併症のリスクと関連があるとされています。
  1. 夜間低血糖の発見
     就寝中は自覚症状が出にくく、本人も気づかない低血糖が起こることがあります。リブレで推移を確認することで、インスリン薬や内服薬の調整につながります。
  1. 治療効果の正確な評価
     HbA1cや数回の自己血糖測定だけでは「平均値」しか見えませんが、血糖変動を可視化することで「薬が効いている時間帯」「効果が不足する時間帯」を客観的に評価できます。
  1. 低血糖への不安の軽減
     患者さんが「もしかして低血糖かも」と感じた時に、すぐに数値を確認できるため安心感が増します。これにより、過度な食事摂取や自己調整の失敗を減らせます。
  1. 生活習慣改善の動機づけ
     食事や運動が血糖に与える影響をリアルタイムで確認できるため、「どの食事で血糖が上がるか」「運動がどれくらい効果的か」が実感でき、自己管理の意欲向上につながります。

 当院でも、FreeStyleリブレを用いた血糖管理を取り入れ、患者さん一人ひとりに合わせた治療方針の検討を行っています。血糖コントロールにお悩みの方などリブレに興味のある方は、ぜひご相談ください。

※保険適応にはインスリン療法を受けている必要があります